ボロディン(1833~1887)は医大薬学部卒、陸軍病院勤務後ハイデルベルク大学で化学を研究、ペテルブルクの医大で教授となり生涯有機化学を研究。バリバリの化学者が本職です。そんな超多忙な中で「中央アジアの草原にて」や「ダッタン人の踊り」でお馴染みの「イーゴリ公」を作曲しました。初めて作曲を学んだのは30才の時にバラキレフからでした(恐るべき才能)。
この曲はそんなボロディンが1881年に愛妻に告白した20周年記念として作曲したものです。もちろん奥さんに献呈されました。
そんな幸せな奥さんエカテリーナはロシア人のピアニストです。20年前に結核にかかり、療養中のサナトリウムでシューマンを演奏しました。その演奏会にたまたま居合わせたボロディンはシューマンの話題で彼女に語りかけ、二人は急速に接近。そして結婚。なんという出来すぎたお話でしょう。第三楽章「ノットルノ(夜想曲)」の抒情的な美しさはたまりませんね。私が中学生の時、ラジオから流れる夜の音楽番組のテーマ音楽でした。もちろんその時は何と言う曲かは知りませんでしたが。
平成2年度の第14回アンサンブルコンテストで世田谷学園の為に編曲したものです。ボロディンの魅力を充分に楽しんで演奏してみてください。(かとうまさゆき)
新潟県立巻高等学校卒業。武蔵野音楽大学でトロンボーンを坂本辰則氏に師事し卒業。
1993年から2008年までオブロークラリネットアンサンブルの代表を務める。2009年1月にクアトロ・パッツァを加藤純子と共に立ち上げる。
世田谷学園、世田谷おぼっちゃまーずとオブローの為に多数アレンジをしている。
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