この作品は2007年和歌山県岩出第二中学校の委嘱により書き始め、同年の和歌山県吹奏楽コンクールにて初演された7分半ほどの作品。
「海」を題材にしてほしいとの要望から、実際に和歌山の海を実際に見せて頂き特に印象に残った《白浜海岸》と《三段壁(さんだんべき)》をイメージし、さらに私の思い描く「海」を織り交ぜて書いたのが今作品です。
私が見た海は、今まで見てきた海の中でも1番の美しさでした。そしてその美しさと壮大さは、まるで私達人間に大きな力(知恵)を与えてくれているような気がしてなりませんでした。そのような思いを聴衆や演奏者の方々に感じ取って頂けたら幸いです。
「朝の海」をイメージした静かな情景から始まり、カモメの鳴き声(クラリネットのマウスピースを使い表現している)が響くなか、中低音から次第に壮大かつ力強いメインテーマが現れます。優しい母なる海のようなアルトサックスのソロを経て、《三段壁》を描いた荒々しい早部では、海の力強さと美しさの2面性を交互に表しています。その2つは混ざり合う事なく、8分音符の一打で遮断されたのち、メインテーマが再現され、スネアの厳格なリズムに導かれて「海の持つ力(知恵)」を表現し、曲は最高潮に盛り上がり幕を閉じます。(清水大輔)
1980年、神奈川県生まれ。2002年に昭和音楽大学短期大学部を卒業。作曲を藤原嘉文氏に師事。
サクソフォーン奏者・福本信太郎氏のための書き下ろし作品をはじめ、航空自衛隊中部航空音楽隊、陸上自衛隊東部方面・中部方面・第2・第4・第6・第8各音楽隊、海上自衛隊東京・横須賀・舞鶴・呉・佐世保各音楽隊、ヤマハ吹奏楽団浜松、なにわ《オーケストラル》ウィンズ、大阪市音楽団(現 Osaka Shion Wind Orchestra)、日生劇場、シエナ・ウィンドオーケストラなど、多くの団体から委嘱を受けている。
アメリカ・シカゴで行われる「ミッドウェスト・クリニック」やWASBE(世界吹奏楽協会)をはじめ、アメリカ、ヨーロッパで自作品が演奏されている。近年ではアジア諸国でも自作品演奏会の指揮や初演を行う。また、これまでに自作品集5枚を全国発売している。
21世紀の吹奏楽“響宴”会員。昭和音楽大学講師。
平成28年度 第49回JBA下谷賞受賞(この優しく、暖かい世界 ~アンディ・カウフマンのための音楽~)
2021年 スーザ/ABAオストワルド賞ファイナリスト(Immortal Anthem)
2023年 第4回WASBE国際作曲コンテスト カテゴリー2部門ファイナリスト(空を削るもの The Skyscrapers)
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