バッハの代表的な管弦楽曲の一つである「ブランデンブルク協奏曲」は、元々はフランス語で「種々の楽器のための協奏曲」と記載されていたように、様々な管弦楽器が活躍する、合計6曲からなる合奏協奏曲集です。合奏協奏曲とはバロック時代によく見られたスタイルで、独奏楽器群と合奏群が交代しながら演奏する楽曲を指します。ただ、今回編曲した第3番は、独奏楽器群と合奏群が分離しない編成であり、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ(さらに通奏低音も加わる)が3群となって協奏を行う形となっています。なお、第6番も独奏楽器群と合奏群が分離しません。
この編曲は、ブランデンブルク協奏曲の第3番を金管8重奏に編曲したものです。この曲は上記の通り、3群分離での協奏の形をとっており、それを出来る限り再現するために、3群を様々な楽器で行うことを意図しました。組み合わせは頻繁に入れ替わるので、各自が役割を十分に理解することが重要です。奏者の配置も様々検討してみてください。
また、原曲の調はト長調(とホ短調)ですが、この編曲では、使用する楽器の音域と調性を考慮して長2度下げています。バロックピッチ(もしくはフレンチピッチ)的な考え方もありますが、主目的は、使用する楽器の音域と調性への考慮です。なお、2楽章のソロはあくまで一例と捉えていただければと思います。(堤慎吾)
1978年生まれ。東海大学工学部卒業。システムエンジニアを経て、楽譜出版社にて楽譜出版・著作権法務を担当。現在はフリーの浄書家並びに編集者として、様々な出版社から依頼を受けて活動している。その一方で、高校時代より独学で音楽を学び、吹奏楽媒体では、この媒体で演奏される機会の少ないバッハ、ベートーヴェン、ブラームス等の作品を編曲し、評価を得ている。
吹奏楽関連の主な編曲作品に「交響曲第9 番“合唱付き”(ベートーヴェン)」「ピアノ四重奏曲第1 番(ブラームス/クラリネット8 重奏)」「パッサカリアとフーガハ短調(バッハ)」「クープランの墓(ラヴェル/管楽8 重奏)」「オーボエ協奏曲(R. シュトラウス)」等。
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