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ハンガリーを代表する作曲家、ベーラ・バルトーク(1881‐1945)は、作曲のみならず東欧圏の民謡の採取・分析においても大きな成果を残しました。この「ソナチネ」BB69は、バルトークが1912 14年にかけてルーマニアを中心に行った民俗音楽の採集の成果をもとに、1915年に「ルーマニア民族舞曲」BB68や「ルーマニアのクリスマスの歌」BB67とともにピアノ独奏曲として作曲されたものです。
このクラリネット7重奏の編曲は、さいたま市立浦和高校吹奏楽部クラリネット7重奏(E♭Cl. 桜井渚早、Cl.1 藤川千愛、Cl. 2 岡崎萌未、Cl.3 小林美香、A.Cl. 高井美由紀、B.Cl.1 善方笑子、B.Cl.2 渡辺千尋)のために2006年9月に編曲したもので、同年の11月24日に行われた埼玉県アンサンブルコンテストにおいて初演されました。
この曲では、以下の3つの楽章から構成されており、トランシルヴァニア地方の5つの民謡が引用されています。第1楽章「バグパイプ吹きたち」は2人のバグパイプ奏者によって掛け合いで演奏された2種類の舞曲です。ソナタ形式ではなく、A-B-Aの3部形式で構成されています。第2楽章「熊踊り」は、ハンガリーでは20世紀初頭まで熊を2本足で踊らせて見せ物にする風習があり、その際に農民のヴァイオリン奏者が演奏した曲です。第3楽章「フィナーレ」は、2種類の舞曲から構成されています。この舞曲も農民のヴァイオリンによって演奏されました。
この曲は、1931年に作曲者自身によって「トランシルヴァニア舞曲」BB102bというタイトルで管弦楽にも編曲されています。
(黒川圭一)
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