モーリス・ラヴェルやアンリ・デュティユーなど近、現代フランスの作曲家たちが好んで用いた形式の一つが、この「ソナチネ」です。形式的には簡略化されたソナタ形式を1楽章に持つ、など、ピアノ教材の入門として現在でも用いられている「ソナチネアルバム」(珠玉の名作が沢山ありますね)と、ほとんど変わらないのですが、近、現代の作曲家たちはこの使い古された形式の中に、ソナタ形式とはまた違ったエスプリ(特にフランスの作曲たちが)を感じたのでしょう。見事に一つの音楽芸術のジャンルとして確立して下さいました。
今回、東京都立杉並高等学校吹奏楽部フルートアンサンブルの皆様に初演していただいたこの作品も、形式的には前出の「ソナチネ」をそのまま継承しております。ソノリテやエクリチュールの観点からしても、近、現代の先人に対する、ある種のオマージュとなっております。
1楽章は伝統的なソナタ(ソナチネ)形式で、2つのテーマを如何に対比、融合できるかが課題です。特に展開部に於いてそのエスプリが発揮されるでしょう。
2楽章はヴィルトーゾ的なソロと、それに対する応答、そしてハーモナイズ。
一見伴奏と見えるパートの重要性を如何に表現できるか、です。
3楽章は無窮動的ロンド。中間部に1楽章のモティーフが再現されますが、この解釈、処理の仕方によって「ソナチネ」という形式が成就されるかどうかが決まってくることでしょう。(天野正道)
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