オペラそのものはあまり上演されないけれど、その序曲だけが飛び抜けて有名なものというのは結構存在します。この作品もそうではないでしょうか。
ジョアッキーノ・ロッシーニ作曲の「ウィリアム・テル」序曲はオペラの物語を暗示するかのような、以下の4つの場面から成っています。
第1部 Andante(夜明け)
第2部 Allegro(嵐)
第3部 Andante(静寂)
第4部 Allegro vivace(スイス軍隊の行進)
チェロのアンサンブルによる美しい導入、劇的な嵐の描写、コーラングレの甘い牧歌を経て、勇壮な行進曲で締めくくられるという、まるで交響詩のような充実した内容ですね。特に第4部は演奏会においてはもちろんのこと、テレビやイベントなどさまざまな場面で使用されていますので、誰しもが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。前の3部は原調ですが、この楽節だけは半音下の変ホ長調としました。他、この編曲は技術的な障壁をできるだけ取り払い、しかし音楽的な魅力を損なわぬよう努めたものです。
楽譜について2点。
一つは低音に現れるm.21最後の八分音符について。
私の手持ちのオーケストラスコアではFis音で記譜されていました。おそらくE音の誤りだと思います。しかしながらこのFis音、実はとてもハマると言いますか、むしろ格好良い。だからかどうかは分かりませんが、Fis音のまま演奏されているケースも少なくないように見受けられます。私の判断としては「記譜のミス」でございますが、念のためスコア上およびこの解説に記した次第です。
二つ目は打楽器について。
[14]より登場するシンバルと大太鼓については人数に余裕があれば…で結構でございます。これらは原曲よりそのまま引用したものです。(井澗昌樹)
大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コース卒業。同大学大学院芸術文化専攻修了。作曲を澤田博、北川文雄の両氏に師事。
主な作品に、バリトン独唱と管弦楽のためのカンタータ「倭建命 流離譚」、トランペット八重奏曲「四季の奏鳴」など。吹奏楽作品に、「火の断章」(2008年度全日本吹奏楽コンクール課題曲)、「Bye Bye Violet」、「愛の祭壇」など。
Although the entire opera is seldom performed, the overture to Rossini's William Tell is a universally recognized masterpiece.
This overture unfolds in four dramatic scenes―Dawn, The Storm, Calm, and The March of the Swiss Soldiers―offering a musical narrative that hints at the opera’s storyline. The lively trumpet fanfare that opens the fourth section is especially iconic, and many can likely hum along to its spirited tune.
This arrangement reduces the technical demands while preserving the music’s dynamic charm, making it accessible and enjoyable for a wide range of performers.
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